5周年回顧録〜自営業の旅 第一章 その1〜
2000年10月20日金曜日、午後5時30分、
終業の時間になり、数名の会社の上司・先輩たちに見送られながら、4年半勤めた会社を後にした。
当日は朝からなんだか随分そわそわし、落ち着かない。 引継ぎ業務も終っているので仕事という仕事もなく、机のまわりを片付けながら時が過ぎるのを待っている。
雨の中、関連部署にお渡しする菓子折りを浜松町駅近くまで買いに行き、夕方5時ごろから挨拶へまわる。
「淋しくなるなあ」 「お前なら大丈夫だよ、がんばれ」 などと声をかけていただきながら、お世話になった人たちへの挨拶を行う。
17時半、上司の方々、周りの部署の方々など数名に見送られながら、
「ありがとうございました!また遊びに来ます。」 と手を振って会社に背を向け、田町駅までの道を歩く。
この時、急に襲ってきた不安は今でも忘れられない。
「明日から、本当に自分の足だけで歩く旅がはじまるんだなあ」 「自分がやりたいから、会社に無理を言って辞めたのに、この’後戻りできない’っていう不安は何なのだろう」
明日から思う存分チャレンジできる!という充実感でいっぱい、になると想像していたが、そんな気持ちは起こらず、足が震えるほどの不安と共に、10分の道のりを歩いた。
勤務中はそんなに早く帰ることも無かった為、帰ってまず行ったことは部屋の掃除。 その後、近くの弁当屋で、チキン弁当を買って食べる。
そうして勤務最終日の長い一日が終った。
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