2009/09/05

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世界をむすぶ 前掛けイベント in New York 〜いよいよ開催初日!
今日も明け方早く目が覚める。4時過ぎか。

いよいよイベント本番の朝!
ちょうど3か月前、6月頭に紀伊国屋さんから「9月にやりましょう!」との連絡をいただいてからのこの3か月、
ほとんどの時間をこの日そして明日のために費やしてきた。
その分、社員のみんなには負担をかけたし、僕らの会社規模にとってはかなりの額の予算も使わせてもらった。
こんな時代にバカだね、と言われるが、このせっかくいただいた機会を「やりません」という選択肢は無かった。

改めて今日、明日で何をNYの皆さんの前で発信するのか、自分自身の整理のためと、手伝っていただく皆さんと共有するために、朝4時に^^;ボコボコのベッドでおもむろにまとめてみた。

・世界で初めての試みなんだから、失敗なんて無い。中途半端な表面的な盛り上がりを目指さない。来てもらった人、たった一人でも心に染みてくれればいい。

・ゴールではなく、日本の文化、をこれから世界に発信していくスタートである。

・東京の若者と豊橋の職人さんたちのタッグで日本文化を世界に発信していく、我々の事例が、今後の日本の物作りの世界発信の先駆けとなる

そして、自分自身に言い聞かせるために、

・いきなり大成功!を狙わない。
・変にうまく話そう、としない。「間」も含めて見てもらおう
・(職人のお父様たちをはじめ)イベントに参加するみなさんが自発的に動きやすいように、ガチっと流れ、ルールを決めることをしない。いい意味で本番任せ、その場で何が起きるかを、楽しもう。

という3つを書き出した。

朝7時30分まで英語のスピーチ練習をし、昨日同様、1階でみんなで朝食を食べる。

品川で人力車を引っ張っている、しかも、実際に人力車を作ることもやっているという、佐藤さんという素晴らしい目をした男性と出会い話が盛り上がる。

その後、会場へ!

…  …  …  …  …

以下、終了直後に書いた日記です^-^

初日のイベントが終わった!
ニューヨークの人たちに、前掛けSpirit&漢字のルーツは通じた!
帆前掛振興会の皆さんや、書家の蒼風さん、手伝ってくれたユーコさん、フミさんが頑張ってくれたおかげで、本当にすばらしい1日になった。
写真家のマサキさんも、ありがとう!

言葉や文化が違う、ニューヨークの人たちに、心に深く残っていくような、本当の日本の仕事着’前掛け’の根っこの部分を伝えることができるのか?
それは今日達成できた、とはっきり言える。

最初、自分にとってはそれは不可能なことに思えた。

が、帆前掛振興会の70代のお父さんたちと、エンシングという若者という異なるもの同士の関係、

前掛けと漢字・書道 という一見違うもの同士の関係、

それらが志をともにし、勇気を持って挑戦すると、このようなことが起きるんだ、ということを実体験として感じることができた。

物作りをずっとされている帆前掛振興会の皆様には、スキルと歴史がある。
僕らエニシングには、それがない。
ただ、僕らにはニューヨークへチャレンジしていこう、状況を変えていこう、という、ちょっとした勇気と行動力、そしてアイデアはある。

蒼風さん書道もしかり、
それぞれは小さな存在だが、両者が交わればこんなことが出来る、ビッグバンは起こる!

…  …  …  …  …

開始前、昼の12時〜みんなで最終ミーティング。
29歳、ニューヨークで活躍する写真家マサキさんも来てくれる。
彼は日本での写真家としての仕事と名声を一旦捨て、このままではいけない、と決意し、単身ニューヨークへやってきた、と言っていた。まず、3年間はここで頑張るんです、と。またサムライ仲間が一人増えた^−^

2時からの紀伊国屋さん2階、イベントスペースには、20名〜30名の方々が来てくれた。
その中には、ニューヨークの大学で美術の先生をしている、という方もいらした。
また、新聞に掲載された記事を持って座っていらっしゃる方も。

腹を決め、マイクを持っていよいよスタート!
まず、僕が「前掛けとは何か?」を紹介した後、書家・蒼風さんが、「前掛け」のスピリットを集約した言葉「志」の1文字を大きな特注前掛けに書く。
緊張感あふれるエネルギーに、書いたあとどよめきが起こる。
事前に、蒼風さんと「今回は頑張ってすべて英語で話そう。うまいヘタなんて関係ない、伝えようとする気持ちが大事なんだ。」ということを話していたので、彼女もがんばって「志」の漢字のルーツについて、英語で話してくれた。

その後、再び、僕から「前掛けの歴史」「現在の盛り上がり」について話す。

一通り話したあと、職人のお父様方、杉江会長、浅井さん、芳賀さん、そして通訳をしてくださった智草さんをご紹介。
皆さまへのインタビュー開始。

杉江会長からは「自分の前掛け職人としての人生の中で、まさかニューヨーク、のど真ん中で前掛けについての発信ができるとは、
思いもよらなかった!ありがとう!」とのお話があった。

浅井さんからは「ペリー来航から開港、そして江戸時代、現在へ前掛けと日本がどのように変わってきたか」という歴史のお話があった。

芳賀さんからは、前掛けの作り方、織り方の工夫、の話が出た。

トーク終了後も、次々と質問が。
「前掛け1枚作るのに、何日かかるのですか?」
「商売用、以外に、個人の家庭でのニーズはあるのですか?」
「色はどのようなものがあるのですか?」

トークイベントは3時に終了。
ここから1階の入口近くへ場所を移し、蒼風さんの前掛け書道ライブ開始!

予め「志」「絆」「宴」「福」「武」の5つの前掛けに関連する文字をピックアップしていたので、それぞれの意味を説明しながら、自分にあったものを選んでもらい、前掛けに書いていく。

蒼風さんの説明する、漢字1文字1文字のルーツについて、皆さん熱心にメモを取りながら聞いてくれていた。

2時間で予定していた20枚の前掛けが完売。特にうれしかったのは、2階で行われた前掛けトークイベントを聞きに来てくださったお客様のほとんどが、書道前掛けを購入してくれたこと。
決して安い金額ではないが、心に響いたからこそ、買ってくれたのだと思う。

5時半ごろ、初日終了!
大成功!のイベント初日だった^−^

一休みして、手伝ってくれているユーコさんを誘って、ZUZUラーメンさんへ。
ZUZUラーメンさんは、マンハッタンから電車で20分くらい行ったところにある、ラーメンレストラン、前掛けを使ってもらっているお店。

173 Fourth Ave. at DeGraw St
Park Slope, Brooklyn
http://zuzuramen.com/

前回訪問時に食べさせてもらったラーメンの味が忘れられず、今回はとっておきの「オリジナルのれん」を手土産に向かう。

オーナーであるNYのサムライ、諸戸さんとは4か月ぶりの再会。
相変わらずの人気店、僕らはちょうど運良く入れたが、すぐに行列が出来ていた。
美味しいラーメンとチャーシューのパン、そしてビールをいただく。

一緒に来てくれたNYで学んでいるユーコさんも、以前よりもずいぶんたくましくなっていて、今の自分の環境を自信を持って話してくれた。

11時ごろに帰り、同じ部屋の2段ベッドに泊まっていて、日本で建築を勉強しているという大学生3人と、アメリカの建築などについて話したあと、シャワーを浴びて寝る。

長い長い一日、これで終了!
またひとつ、大きくなれたかな?
この写真が撮りたかった!マサキさん、ありがとう!
いよいよイベント開始!
蒼風タイムスタート!!
たくさんの人々の心をつかむ
ZUZUラーメンさん!再訪できたことを本当にうれしく思う

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ハンドル Anything 西村
性別
星座 しし
血液型 A
ホームページ http://www.anything.ne.jp
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メッセージ ■有限会社エニシング代表取締役社長

1973年広島市出身、1996年中央大学卒。大学3年のとき、1年弱、アメリカ一人旅(留学)。
2000年、5年お世話になった食品メーカー江崎グリコを脱サラ。当初は「漢字TシャツAnything」開始。原宿などの路上で販売を始める。

2004年から前掛けの製造を開始し、帆前掛けの産地・豊橋の職人さんたちと出会い「前掛けAnything」スタート。
ニューヨークへの前掛け飛び込み営業、毎年のNYやロンドン、パリ展示会、など様々な経験をしながら現在に至る。
2019年6月に330坪の土地を買い、豊橋前掛けファクトリー設立。
悪玉コレステロールUPに悩む、3児の父(^-^)
●趣味:プロレス格闘技、旅、うまい酒を気の合う仲間で楽しむこと

この日記では、日々思ったことや仕事などについて思うままに書いております。


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