今の時代に僕らは生きている
昨年ニューヨークで前掛けトークショーを一緒に行った、愛知県豊橋の芳賀社長さんと、 埼玉、東京都内、のお世話になっている工場さんを訪問。
豊橋、東京、どちらもエニシングがお世話になっている工場さんだが、 今まで接点がなかったので、ぜひ一度、今後のためにも会っておいてほしかった。
朝8時30分、東京駅へお迎えに。 その足で、埼玉県羽生の小島さんの工場へお伺いする。
お互い初顔合わせだが、日本の繊維産業の最盛期も経験されていることもあり、話が弾む。 共通のお知り合いも多いようだ。
途中で紋デザイナーの金子さんも同席してもらい、工場見学をさせていただいたのち、お食事へ連れて行ってもらう。
僕らエニシングの知らない「過去」、そして現在、未来の話になり、いろいろと感じるところが多い。
過去、戦後〜高度成長期にかけては
・大量に ・早く ・安く ・均一に
ものを作ることを、社会が、世間が、お客さんが、時代が、求めていた。
だから、みなさん、一心不乱にそうされてきた。
だが、30年くらい前から、徐々に様子がおかしくなってきた。
あっという間に、日本の繊維産業(だけでなく、ものづくり全般)は、海を隔てたお隣の中国へ、と移っていく。
今、こうして昼食を一緒に食べているみなさんは、 手を変え品を変え、知恵を絞って方向転換しながら生き残ってこられたからこそ、 なのだが、 多くの工場さんは、残念ながら廃業、の道を辿った。
今の時代はどうだろう? 日本でのものづくりに求められているものは
・少量生産で ・時間がかかっても ・コストが多少かかっても ・人とは違うものを求める
過去と全く逆ではないか。
経営に詳しい先生方は「だから世の中の流れをとらえて変わっていくべきだ」、と言うけれど、机上で言うだけなら簡単。 その時代、時代の流れ、人、設備、家族、守らなければならなかったもの、目に見えないもの、があって、今がある。
僕らの世代がこうして今、そのようなことを感じ、発言していられるのも、 たまたまこの時代に生まれたから、だと言える。
埼玉羽生のあと、都内の工場を何件かまわり、 朝8時30分から夜9時までご一緒させていただいたあと、芳賀社長が
「今日まわってみて、やはりオリジナルの技術があるところが残っているなあ。 '歴史に基づいた技術'をきちんと活かしているなあ。」
と言われていた。
歴史、技術、そして今の時代の流れ
前掛け、を通じて、何を世間に伝えていけるか、 もう一度考えるいいきっかけになった一日。
ありがとうございました!
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小島さんの工場内!すばらしい雰囲気
生地についてのお話
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