2010/05/12

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今の時代に僕らは生きている
昨年ニューヨークで前掛けトークショーを一緒に行った、愛知県豊橋の芳賀社長さんと、
埼玉、東京都内、のお世話になっている工場さんを訪問。

豊橋、東京、どちらもエニシングがお世話になっている工場さんだが、
今まで接点がなかったので、ぜひ一度、今後のためにも会っておいてほしかった。

朝8時30分、東京駅へお迎えに。
その足で、埼玉県羽生の小島さんの工場へお伺いする。

お互い初顔合わせだが、日本の繊維産業の最盛期も経験されていることもあり、話が弾む。
共通のお知り合いも多いようだ。

途中で紋デザイナーの金子さんも同席してもらい、工場見学をさせていただいたのち、お食事へ連れて行ってもらう。

僕らエニシングの知らない「過去」、そして現在、未来の話になり、いろいろと感じるところが多い。

過去、戦後〜高度成長期にかけては

・大量に
・早く
・安く
・均一に

ものを作ることを、社会が、世間が、お客さんが、時代が、求めていた。

だから、みなさん、一心不乱にそうされてきた。

だが、30年くらい前から、徐々に様子がおかしくなってきた。

あっという間に、日本の繊維産業(だけでなく、ものづくり全般)は、海を隔てたお隣の中国へ、と移っていく。

今、こうして昼食を一緒に食べているみなさんは、
手を変え品を変え、知恵を絞って方向転換しながら生き残ってこられたからこそ、
なのだが、
多くの工場さんは、残念ながら廃業、の道を辿った。

今の時代はどうだろう?
日本でのものづくりに求められているものは

・少量生産で
・時間がかかっても
・コストが多少かかっても
・人とは違うものを求める

過去と全く逆ではないか。

経営に詳しい先生方は「だから世の中の流れをとらえて変わっていくべきだ」、と言うけれど、机上で言うだけなら簡単。
その時代、時代の流れ、人、設備、家族、守らなければならなかったもの、目に見えないもの、があって、今がある。

僕らの世代がこうして今、そのようなことを感じ、発言していられるのも、
たまたまこの時代に生まれたから、だと言える。

埼玉羽生のあと、都内の工場を何件かまわり、
朝8時30分から夜9時までご一緒させていただいたあと、芳賀社長が

「今日まわってみて、やはりオリジナルの技術があるところが残っているなあ。
'歴史に基づいた技術'をきちんと活かしているなあ。」

と言われていた。

歴史、技術、そして今の時代の流れ

前掛け、を通じて、何を世間に伝えていけるか、
もう一度考えるいいきっかけになった一日。

ありがとうございました!
小島さんの工場内!すばらしい雰囲気
生地についてのお話

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ハンドル Anything 西村
性別
星座 しし
血液型 A
ホームページ http://www.anything.ne.jp
興味のある分野
メッセージ ■有限会社エニシング代表取締役社長

1973年広島市出身、1996年中央大学卒。大学3年のとき、1年弱、アメリカ一人旅(留学)。
2000年、5年お世話になった食品メーカー江崎グリコを脱サラ。当初は「漢字TシャツAnything」開始。原宿などの路上で販売を始める。

2004年から前掛けの製造を開始し、帆前掛けの産地・豊橋の職人さんたちと出会い「前掛けAnything」スタート。
ニューヨークへの前掛け飛び込み営業、毎年のNYやロンドン、パリ展示会、など様々な経験をしながら現在に至る。
2019年6月に330坪の土地を買い、豊橋前掛けファクトリー設立。
悪玉コレステロールUPに悩む、3児の父(^-^)
●趣味:プロレス格闘技、旅、うまい酒を気の合う仲間で楽しむこと

この日記では、日々思ったことや仕事などについて思うままに書いております。


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