2011/10/15

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ニューヨークの旅2011〜5日目
昨日のビッグイベントを終え、高知の方たちはこの旅唯一のフリーの日。

朝、目覚めると8時30分だった。

森館長「おはよう、今何時や?」

西村「8時30分です。」

館長「え〜?そんなに長く寝むっとったか?」

館長は坂本登氏や北代氏と8時40分から朝食の約束をしていたとのことで、お電話し、
先に食べてください、と伝える。

「もうちょっとゆっくり寝たいのう」

やっとすべてが終わった安堵感もあり、疲れがどっと出るころ。

その後、9時30分からホテル1階のレストランで朝食。

ちょうど元高知新聞女性記者の広末さんと、高校3年生の娘さんが二人で
食べている4人掛け席が空いていたので、館長、僕、も加わりで昨日の大成功に
終わったイベントを振り返りながら食事。

いままで2年かけての準備期間を経て、終わったばかりだが、
森館長は次、をすでに見据えている。

「ニューヨークで出来た縁を、1回限りに終わらせちゃいかんぜよ」

「今日本の中だけで考えとってもなんも解決せん。わしゃ、こういうところへ
日本はもっともっと出て勝負せないかんと思う」

確かに僕もそれは同感である。
この2年間で、館長や学芸員の前田さんとしきりに

「今の旧態依然とした制度の中でやっていては何もあたらしいことは生まれない。
例えば行政も商工会議所のような団体も、良い面は残しつつ、突破すべき壁は
自分たちで破っていかないと。今までの日本を作ってきたひとたちの頃とは時代が変わって
いる。合わなくなっているところは僕ら世代が再び創造していかないと。」

と話しながらやってきた。

NYの日本人社会も同様で、ある老舗団体に今回の龍馬イベントの企画当初から打診
していたが、結局その団体さんは全く動きが遅く、良い返事をもらえなかった。
だが、ジャパンソサエティ、NPOジャネット、で開催が発表されるやいなや、
「うちの団体もよかったら受け入れますよ」との話がきた、ということがあった。

千葉・鴨川で岡野大和くんが挑戦していることや、
小金井で町田くんが取り組んでいることなど、
私利私欲を一切捨てて、いい世の中、力合わせて夢の見られる社会をつくろうじゃないの
という新しい活動。

今後激変する新たな世の中に対応していく動きを、そんな仲間たちや、RYOMA というキーワードと共に
出来ることは素晴らしいことだと思う。

かなり具体的に突っ込んで、こんなうねりを作って行こう、3年計画でこうしてやっていこう、と話した。

「西村くん、やるぜよ。
いつでも動けるよう準備はしておいてくれ。わしらがやったんだ、それが未来につながったんだ、ということをやろうぜよ。」

「はい、わかりました」


朝食を食べ終わると、館長たちと別れ、僕は2人の方に会いにいく。

12時からは、新興の観光スポットになっているハイラインのそばで「IPPODO」という
それはすばらしいギャラリーを営むショウコさんを訪問。
日本でお世話になっているアパレル会社の社長さんに紹介してもらい、今回はじめての訪問。
アーティストWataruさんと一緒に埼玉羽生でつくった藍染めアート作品を見てもらいながら、
いろんな話をお聞きするのが目的。

茶道具など、日本の伝統品やアート作品を扱っているギャラリーさんで
到着するとすでにお客様がいらっしゃり、高さ1メートル以上はある
大きな大きな焼き物の壺を購入していらした。

お邪魔になるといけないので、ハイラインを30分散歩し再訪問。

店内は畳もあり、お茶のけいこも出来るようになっていて、空気は一変する。
急に、日本に帰ってきた心地いい感覚に変わった。
「あー。心に染みるように落ち着く場所だなあ」

藍染めの作品を見てもらいながら、いろんな話を聞かせてもらう。

小柄で若い女性店長さんなのだが、ひとりニューヨークに来てギャラリーをオープン。
試行錯誤をしながらたどり着いた結論が
「やっぱり口コミ、が一番大切だってわかりました」

藍染め作品をいくつか置かせてもらうことになった。


その後、歩いてポートオーソリティ(バスターミナル)近くのスターバックスへ。
2時45分から、NY在住のデザイナーKENさんと初めてお会いする。
KENさんはカルバンクライン、ラルフローレンなどのテーブルウェアや寝具などをデザイン
している方で、仙台の染め工場さんからの紹介。

NYのファッション界でバリバリに活躍されている方で、お会いすると発して
いらっしゃる'気'が凄かった。

ここでも約1時間、本当にいろんなことを教わる。
仕事の仕方、などで「最短でも半年、普通は1年かけてプロジェクトを進めて行く」
というやり方など、とても参考になるお話しをたくさんしてくださった。

「では、今度は一度前掛けの産地・豊橋へ一度来てください」


その後、紀伊國屋さんを訪問し、昨晩イベントで使った色紙の残りを返却。
あとはホテルへ戻るだけなのだが、なんと前掛けの展示をしてくれている紀伊国屋さんの会場前に
ウォールストリートから続いてきたデモの一団が現われ、道は通行止めで混乱。
何百人という警察官がデモ隊を制御しながら歩かせている状況。

ホテルに帰るにはそのデモ隊を横断しなければならなかったので、群衆の中に入り、
「すみません」と通りぬける。
今までで一番大きなデモ。参加しているのは、ごくごく普通の市民たち。
今、世界が動いている、ことを実感する出来ごとだ。


やっとのことでホテルへ戻ったところ、「あー、この旅はそういうことだったか〜」と自分で納得の、
あるもの発見をしてしまう。この7年近くの動き、流れ、はコレ、につながっていたのか、と。

(日記に書ける内容ではないので会ったときにお話しします^^;)

夜7時にロビーに集合し、最後の「さよならパーティー」の会場へ、皆さんとバスで向かう。
だが、まだデモは続いていて、交通渋滞がすさまじい。

高知からの一団の目の前で「見せつけられている」このデモに、それぞれが何を感じ、
どう動いていくか、が問われている気がした。

隣の席のミュージシャンいちむじんの宇高くんとそのような話もする。

パーティーでは、ステーキを食べながら、森館長、坂本登さん、北代さん、吉冨くん、と
同じ席で未来に向けた話をする。

後半、別の席だった高校生の女の子たち3名の席に座っていらした、高知のテレビ局の尾崎記者に
「すみません^^その席いいですね〜代わってくださいよ〜」
と懇願し、可愛らしい高校生たちの席へ。やったー^^
自分の娘、でもおかしくないくらいの17歳の子たちとのおしゃべり。

楽しいさよならパーティーも終わりホテルへ戻った後、
11時から最後の夜だから、と、元新聞記者の広末さん、テレビ報道の尾崎さんと3人で
イタリアンレストランへ飲みに。

この旅を振り返ったり、自分たちのこれからの仕事の話をしたりしながらワインも進み、2時まで語り合った。

「尾崎さん、今回の取材で、報道ドキュメンタリー大賞、ぜひ取ってくださいよ!」

ホテルに帰り、館長を起こさないようにベッドに入り、就寝。

今日も一日、ありがとうございました。お会いし、お話しさせていただいた皆さんに感謝。
列を何とか抜け出て撮影
NY紀伊国屋前でのデモを制御する警察官、すごい数
さよならパーティーでのあいさつは、龍馬子孫、坂本登氏!
館長、坂本さん、北代さんたちと真剣に話す吉冨くん(写真右)

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ハンドル Anything 西村
性別
星座 しし
血液型 A
ホームページ http://www.anything.ne.jp
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メッセージ ■有限会社エニシング代表取締役社長

1973年広島市出身、1996年中央大学卒。大学3年のとき、1年弱、アメリカ一人旅(留学)。
2000年、5年お世話になった食品メーカー江崎グリコを脱サラ。当初は「漢字TシャツAnything」開始。原宿などの路上で販売を始める。

2004年から前掛けの製造を開始し、帆前掛けの産地・豊橋の職人さんたちと出会い「前掛けAnything」スタート。
ニューヨークへの前掛け飛び込み営業、毎年のNYやロンドン、パリ展示会、など様々な経験をしながら現在に至る。
2019年6月に330坪の土地を買い、豊橋前掛けファクトリー設立。
悪玉コレステロールUPに悩む、3児の父(^-^)
●趣味:プロレス格闘技、旅、うまい酒を気の合う仲間で楽しむこと

この日記では、日々思ったことや仕事などについて思うままに書いております。


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