山口の山奥の小さな酒蔵
広島に帰省した際に、岩国の旭酒造さんを訪問させてもらった。
旭酒造は「獺祭(だっさい):カワウソの祭りと書く」の銘柄で有名な日本酒の酒蔵さん。広島から山口に入った県境の「岩国市」にある。
広島市内から国道2号線で左に宮島、瀬戸内海を望みながら約1時間で岩国へ。
岩国駅からさらに40分ほど山に中に入ったところにある。 目の前には小川が流れる山間部。前掛けなどに書かれているキャッチコピーにも「山口の山奥の小さな酒蔵」と入っている。(さすがに「小さな、はもう取らなきゃいけない規模になったけど…」と言われてました^^)
息子さんの桜井かずひろさんとは、ニューヨークでお世話になっている商社さんが一緒で、向こうで何度か会って食事などしているが、日本で会うのははじめて。
日本酒好きな方には、だっさい、と言えばそれはもう誰でも知っているお酒。 日本酒を知らない方に説明すると、 「だっさい」は今、日本、そして海外でも一番人気のお酒で、ニューヨークでも数ある日本酒のなかでナンバーワンと言っても過言ではないくらいに飲まれている。 今ではどこの百貨店に行っても地下の食品売り場には必ず置いてある。
美味しい、のはもちろんなんだけど、 20年くらい前から「どうやったら、世界で飲まれるお酒を作れるか」を研究し、「獺祭」を開発し、消費&販路拡大の最も苦しい道のりを真正面から歩んできた。
この20年、「世界でうまい、と言われる日本酒」をまっすぐに実現してきたのが 桜井さんのお父さんと彼・かずひろさん。
二人三脚で、山口の本当に山の中の小さな酒蔵だった旭酒造さんが、 世界を創って切り開いてきた話を以前ニューヨークで聞いたが、とても深い感銘を受けた。カズヒロさんはニューヨークで単身アパートを借りて1軒ずつ開拓し、販路を拡大してきた。
今日は、それを見守ってきたお母様ともお会いできたので
「ずっと続けてきた銘柄を辞め(言わば退路を断って)'だっさい'という新しい商品を作って、これでいこう!と決められた時にはどんなお気持ちでした?」
と尋ねた。
お答えは… それはとても心に沁みる深い言葉でした。
広島、山口の県境、という 不利な環境を克服して、10年、20年スパンで世界一のお酒を目指し、それを実践している。現場の空気をその場で体感できたことに感謝。
もうひとつ感じたのは、自身の地元でそうやって家族、力を合わせてひとつのものを創り出している、ということ。
エニシング、西村、のこれから10年後、50年後にも とても刺激、勉強になりました。 ありがとうございました。
|
|