作る人と、仕入れて売る人=結婚
グリコ時代からの友人・寺田と数年ぶりに会った。経営コンサルタントの友人・榎本さんも一緒。
二人は僕の結婚式であってもらって、 その後、2人の間での交流が盛んになった。
彼はグリコを辞めて島根の嫁さんの「日本酒」の蔵に入った。
旭日酒造(あさひしゅぞう)と言い、「十字あさひ」という銘柄でお酒を作っている。 (旭酒造→3文字が山口岩国にあるアサヒさん、 旭日酒造→4文字が島根の出雲にあるアサヒさん、たまたまどちらも仲良くしている友人^^)
その寺田が蔵に入って酒造りをはじめて「9年」になるという。その9年間、どんどんお取引先さんが増えて、個人の十字旭ファンも増えている。 僕も年に1回、東京での試飲イベントに9年前から言っているが、最初は行くと30分くらいはじっくり話が出来た。今はファンでごったがえしていて、挨拶も出来ない くらいに人気になっている。
『10年近く経ってみて言えることは、きちんとやり続ける、毎年、ちょっとずつでも、より良くなるように変えながら続けていく、ただそれだけ」
と言った。それは2〜3年目には決して分からないことだった、と。
酒作りは基本的に1年に1回の勝負だからこその「9〜10年」というのはあるが、 それは今我々みんながやっている仕事、も同じだ。10年続けてみてはじめて何か少しずつ分かってくる。
最近起業する若者なども増えているけど、 気持ちとして、 「10年くらい経ってやっと仕事を理解し始められる」 というくらいでやらないと、 それくらい本質的なことを追求しながらやらないと、 あっという間に時代の流れの中で無くなってしまう=中途半端な仕事して廃業、ということになる。
あともうひとつ言ったことが
「作る人(メーカー)」と 「仕入れて売る人(卸 や 小売店)」 が取引を開始するということは「結婚」するほど大事なことだ、と。
一度結婚したからには、お互いいろんなことがあっても二人で乗り越えていく。
今うれているから仕入れ、他の売れているものが出てきたら、そっちに乗り換える、 というお店には絶対に売る気はない、そんな覚悟がお互いに大切。
お互いに「本気」を出して、1+1=4にも、5にもしていくからこそ、一緒にやる意味がある。
それを、1+1=2 を作ろうとして「取引しましょう」「うちの店に置いてみませんか」と来たってやるわけないでしょう。
それは「モノ」を「モノ」としてしか扱っていないから。 それでは今の時代、お客さんにお金を払ってもらって買ってもらうことは出来ない。
出来ないからどんどん業績わるくなっていって安易な仕入れして安売りに走って自滅していく。
お客さん、の心の奥底をしっかり見て、 自然があって、人がいて、だからこそ自分たちの会社があって、
あたりまえのことを当たり前にやっていく、と
見えてくるものが違うし、本気、で毎回やらなきゃいけないって分かる。
お客さんに喜んでもらうものを届ける、 それを一番に考えると、 作るメーカーと、仕入れ先、販売先は、 運命共同体。
それは当たり前のこと(だけど今はひん曲がってしまっていることが多いよね^^;)
そんなことを寺田と榎本さんと話した。
榎本さんに、「10年経ってみて分かった!繁盛していた会社の秘密」というような主旨の本を書いてくださいよ、と言った^^
うまいもの、いいものつくって、 1つ1つきちんと説明して売っていく。
10年経ったら答えはひとまず出ていますよ。
みんなも覚悟決めて信じてがんばって! 寺田が実践して見せてくれているんだから。
|
|