名古屋の伝統工芸職人さん達
名古屋市役所さんから 「伝統産業活力向上研究会」 という勉強会に呼んでいただき、1時間半の講演。
仏壇、漆、桐箪笥、有松鳴海絞…
など、名古屋市の伝統工芸士さんたち約30名の前で話をさせてもらう。
テーマは「異業種交流等による新たなデザイン・ブランド化と消費者ニーズの創造」
テーマは難しそうだが、 全く個人の方が買う習慣の無かった「前掛け」を、豊橋の職人さん達と共に「個人のお客様」に販売するという流れをつくってきた実体験を、少しでも役立ててもらえれば。
始まる前からかなり僕自身もワクワクしていた。青学などで大学生に話す時もワクワクしたが、今日は日本の財産ともいえる「腕」を持った方たちの前で話せるとあって、話したいことがたくさん。
「伝統素材の活用」と「消費者ニーズの創造」について話してください、とのことだったので ・役割分担 ・現代への翻訳+発信 ・日常との接点 ・需要の創造 ・ブランド化 という順で今までやってきたことを1時間10分、ギューっと詰め込んでお話しした。
話が終わった時、主催の名古屋市の方やコンサル会社の方たちが 「あちゃー」 という顔をされていた。
どうやら、ちょっと温度さのある話をし過ぎたようだ…
「西村さんはそう淡々と話すけど、実際はそううまくはいかないんで…」
とコンサルの方が口火を切られた。
市役所の方が 「今回のこの会の主旨を再度まとめますと…」 と参加者の皆さんに再度諭すように話す。
やっちゃったか〜、 しくじったなあ…俺が一人相撲とってしまったんだなあ…
市役所さん、主催者さんたちの 重〜たい雰囲気の中、 心の中で反省をしていると、
70代くらいと思われる年配の参加者の方がが
「日本には昔、旦那様、という文化、旦那文化があった。 産地をまとめ、どのようなものを作って売っていくかを考え、職人たちを競わせながら市場に売り込んでいく。 そんな旦那様、という教育をされた人達がいて、日本のものづくりと販売の全体を支えていた。 西村氏はそんな旦那様の役割をしていて、今の日本に足りないのは、そのような視点、教育、なのではないか。 職人にものを創って売れ、と言ったって、慣れないことをやるんだからなかなか前に進まない。西村氏の話の中に、そのヒントがあるんではないか。」
と話してくださった。
そのあとは、30代〜40代と思われる若い方々からも、50代くらいの今のトップでやっていらっしゃる方からも 次々と手が挙がり、質問、意見、がどんどん出てくる。
「実は、自分はこのような研究をやり続けているのだが、どのようにそれを売って行ったらいいかが分からないので意見を欲しい」
「海外に売っていきたいと思っているのだが、きっかけが分からないので…」
など、胸に秘めた思いを皆さんが出してくださった。
僕もひとつひとつ答えた。ただ、先ほど熱く一方的に話し過ぎたきらいがあるので、今回の質疑応答は冗談も交えながら話す^^
ある研究をずっと続けている、という若手の方に 「あなたの●●で日本一、良く知っている、信頼される人になれば、仕事は向こうからどんどんやってきますよ。」 とお話しした。
15分くらい時間オーバーし、終了したあとも、皆さん、質問&名刺交換、の列が… 終了後も、1時間くらい一人ひとりの方々とお話しした。
参加者の皆さん、特に若手の皆さんの心に火がついたのを感じた。鋭い質問ばかり。
それが一番うれしいこと、かも。
終わると、めずらしくぐったり疲れが出た^^;
帰りに、受付をやっていた事務局の若い男子スタッフさんが
「何回かこのような会をやっているんですが、今日、ほんと皆さん凄かったです…」
とポツリと言ってくれた。
名古屋まで来てお話しできてよかった。
これも何かのえん、 今度、一度名古屋へ時間作って再度行って、皆さんの仕事を見せてもらえればと思う。
おそらくとっても異質な講演会。 勉強になった。
ただ、一方的に語りすぎるのはちょっと反省しなきゃ…^^;
○後日談(26日記載) と、しきりに反省していたら 主催の方からメールをいただきました。
『終了後、皆さんが名刺交換であれだけ並ばれるのはあまりないとお聞きしました。 大変感心しながらお聞きさせて頂きました。 単にものを売る時代ではなく 皆さんが得意や専門を生かしながら連携して 技術とマーケットを両輪に取り組んで行くことが必要と改めて感じさせて頂きました。』
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このような会でした
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