ワーケーションのモヤモヤ感
コロナ禍において、にわかに脚光を浴びている、休暇(Vacation)と仕事(Work)を組み合わせた「ワーケーション(Workcation)」という新しいはたらき方。 環境省がワーケーションの補助をしたり、最近「ワーケーション」をテーマにするオンラインセミナーも多数行われ、私も機会があれば受講している。
ただ、「ワーケーション」を考えれば考えるほど、モヤモヤ感は増すばかり。
元々、アメリカで有給休暇の取得率を上げるために生み出されたという「ワーケーション」というスタイルであるが、なんだか「ワーケーション」ということばが独り歩きしているような気がする。 行政も企業も「ワーケーションをやるぞ!」というような勢いを感じるが、そもそも「ワーケーション」というのはそんなカチッとしたものなのか、という疑問がある。「ワーケーション」とは仕事と休暇の境もあいまいなように、もっと緩いものではないだろうか。
地域によっては「ワーケーション」に対応するためのコワーキングスペースや施設、設備を整備したり、という事例も見られるが、そこまでコストをかけて始めるものなのか、とも思う。 もちろんフリーWiFiなど、最低限の環境は必要だが、むしろありのままのいまの地域の環境を活かし、緩く呼び込んでいくことが大切ではないか、と思う。
それに、そもそも「ワーケーション」というスタイルが本当に日本に定着するのか、という疑問もある。 企業(雇用者)も、従業員(被雇用者)もある程度のルールをもって安心して働いているであろう日本の仕事スタイルにおいて、「ワーケーション」を広く普及していくのは文化を変える必要があると言っても過言ではなく、確かにコロナ禍で人々の価値観は変わったものの、「ワーケーション」が定着するまでにはまだまだハードルも多いであろうとも思う。
このままでは、結局全国方々で行われ始めている「ワーケーション」にまつわるさまざまな事業はよくある「モニターツアー」「実証実験」で終わってしまうおそれが高いだろう。
考えてみれば、私は元々「ワーケーション」ということばが出てくる以前から、事実上そのようなスタイルで仕事してきているような気もする。 家族に白い目で見られながらも旅先のホテルで仕事することも多いし、、、 でも、それはあくまでも個人ベースのもの。
そこらへんを見極めて、「ワーケーション」事業を展開していきたい、もっと緩く、個人ベースで、、、と改めて思うのであった。 果たしてモヤモヤ感は晴れるだろうか。
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